無低あるある、その1

無低、あるある。
飯がひどい
刑務所より環境が悪い
ダニに喰われる
風呂に2日に一回しか入れず、夏はみんな饐えた匂い
老人ホームさながらの高齢化率
生活保護費の支給日は入居者みんながパチンコ屋に直行
隠れて飲酒、入居者同士で借金
脱走者が多い
無低を渡り歩いているやつがいる









飯場を転用している無低

私がいる無低は高度成長期に建てられた日雇い業者の飯場をそのまま使ってる。日本中が右肩上がりで建設需要があった時代に地方から多くの若い男が都会に来た。そういった男たちの汗がしみこんだ三畳一間の50部屋、共同の風呂、トイレ、食堂がある。このような飯場は建設需要の落ち込みに伴いその役割を失った。
そこに目をつけた我々のようなNPO飯場を安く譲り受けて、無低として再利用している。安く仕入れた建物で高い食費、高い家賃をとり無低は濡れ手に粟だ!、、と言いたいところだが、何かと問題を起こしたりする入居者も多いためそこまで美味しい商売とは言えない。
無低は貧困ビジネスと揶揄されるが、需要があるからこそ存在する必要悪である。


子どもの貧困

無低や簡易宿泊所の入居者は、そのほとんどが50歳以上の中年か高齢者だ。そんななか、こんな入居者がいた。
その入居者は、18歳。仮に山田とする。山田は、崩壊した家庭で育っていた。家族に暴力を振るう父、男を取っ替え引っ換えする母、そして妹がひとりの家族構成。
幼いころから、虐待、ネグレクトを受け性格がゆがみ、幼い子に性的いたずらをしたこともあり警察のご厄介になったことも数えきれない。
少年院、児童相談所で短い人生の大半を過ごしてきたとのことである。
日雇い労働をしてきた中年でなく、こんな若い子が落人村に流れてくる世相に、驚いた。
国は子どもの貧困対策に力を入れて行くそうだ。
若ければ若いほど人生を立て直すのは容易になる。
子どもの貧困だけは、優先して解決していくほうが良い。

川崎の簡易宿泊所の火災

 川崎市川崎区で簡易宿泊所2棟が全焼し、死者、重軽症者を多数出した事件があった。簡易宿泊所は日雇い労働者らが利用してきた歴史がある。
事件のあった簡易宿泊所は、3畳ほどの個室が3階までびっしりある『1泊2000円』のもので利用するのはほとんどが長期滞在者の生活保護受給者であったとのことだ。
行政が入居者を把握していたため焼けた遺体の身元判明も早かったのだろう。
 放火なのか失火なのか原因は、わからないが今回の事件は決して他人事ではなく無低でも起きうる事件だと思った。
 プライバシーが極端に制限されるこうした施設では、利用者同士のトラブルや事件、事故は絶えない


おカネの貸し借りをめぐってけんか沙汰になる、
財布や物が無くなる、
タバコの不始末でボヤをだす
シンナーに引火するなど、、
無低や簡易宿泊所は、高度経済成長時代に建てられた飯場を転用しているため、現行の消防法や建築基準法を満たしていない施設も多い。
瞬間的に行政の監視は、厳しくなりこのようなことが無いように注意するだろう。しかし喉もと過ぎれば熱さ忘れ、忘れたころにこのような事件が再び起こることだろう。

 


無低の人々への支援の費用対効果について

ホリエモンが「生産効率の悪い人を無理やり働かせる」ことは社会にとって害悪となるという趣旨の発言をしていた。

ダメな人間を働かせても、他の人の足を引っ張るだけで意味がないと。就労や自立を支援する労力に比べ、就労したことによる効果が小さく、かえって社会的損失が大きいと。。。

無低の入居者を見ていると本当にそう思う。

ほとんどの入居者は、生活保護を受けながら入居している者ばかりだ。納税者にとっては腹だたしいかぎりだが、残念ながら彼らは最低限の生活保護費で飼い殺しにするのが最も社会に悪影響を及ぼさない方法ではないかと思う。(人権を全く無視し、彼らを◯◯という意見は無しだ。)

さて、無低の入居者には、生活保護法に基づき、生活扶助費(家賃、医療費以外の生活費)として約6万円から7万円、住宅扶助費(家賃)として3万円か5万円の実費(注、地域により住宅扶助の上限は異なります)が支給される。

医療費の実費は全額福祉事務所が支払う。

入居者が病院にかからないと仮定しても最低、10万円前後のコストがかかる。

無低では、彼らの自立のためハローワークに通わせたり、就労自立に向けたサポートをする。福祉事務所のケースワーカーも定期訪問支援、就労支援等の指導をする。これらにも、多額の費用、労力が投入されている。

このような多額の費用をかけた支援が、効果的であるかといえば答えはノーだ。(就労支援が効を奏し、自立して行く人間もいますが割合的にはかなり少ない。)

入居者はそのほとんどが日雇い労働等で生計を立ててきた人間だ。そのような人間に、就労支援として履歴書の書き方や面接でのテクニック等を教えても言わずもがな、、

ケースワーカーの人件費、就労支援員の人件費等を考えると費用対効果的に彼らを働かせ、自立させようとすることがよいのだろうか。。?

就労しても、足手まといになり会社に迷惑をかけるだけだ。

必要最低限の生活保護費を渡して、飼い殺しにしたほうがまだよいと思う。




無料低額宿泊所の管理人

地方都市に住んでいます。
無料低額宿泊所という社会福祉施設で、相談員として働いています。一般社会から外れてしまった人たちのことや、日々の雑感をつづります。