外国人の入居者

無低に日系人の入居者がいた。
佐藤(仮名)はブラジルに日系二世として生まれた。ブラジルで子ども四人をもうけて暮らしていたが、親の生まれた国を見たくなりバブル期に単身日本にやってきた。日本語もろくに話せないのにだ。ご存知の通り、バブル期の日本は人手が足りなくなり、日系人を労働力として迎えた。日系人は、高い賃金を求めルーツである日本を目指した。
自動車部品工場等のキツい環境で佐藤は必死に働き家族へ仕送りもしていた。やがでバブルがはじけ、工場を解雇になった。その後日本各地を転々としていたが、ヘルニア等を患いまたも仕事を解雇されホームレスとなった。
結果、生活保護をうけることになり福祉事務所の紹介により無低で生活するようになった。日本語は片言であり、佐藤は、日本の文化やもちろん他の入居者にも馴染めず、周囲とも軋轢が絶えなかった。
そして被害妄想の言動や意味不明の言動が多かった。最初は、言葉が理解できないためかと思ったがどうにも様子がおかしいため福祉事務所のケースワーカーに相談し精神科を受診させた。結果、統合失調症との診断。予想通りである。その後、病状が悪化し、無低を退寮し精神病院(閉鎖病棟)に入院した。おそらく一生病院から出てこれないだろう。
以下、雑感
シリアからの難民報道を受けて、日本でも移民や難民の受け入れの議論が進んでいる。
佐藤のような例を見ると、移民や難民の受け入れは慎重にしたほうがよいと思う。経済界の要望で日系移民を入れたはいいが、景気の悪化とともに用済みになり不良債権化し至るところで問題になりつつある。
少子高齢化対策や人道問題の解決も大事だ。しかし目先の問題を解決しようと外国人を受け入れて、手に負えなくなり頭を抱えることになるのはドイツのような移民を受け入れた国家を見れば当然の結末といえる。